通信室

アルコール依存症からの回復 Eさん第6話

2023.08.07

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⑤女性 Eさん

 

第6話~ミーティングに参加して~

入院して何日間はゆっくりさせてもらい体調を整えた。1週間経った頃に主治医に勧められて初めて病院のミーティングに参加した。入院の患者さんが10人くらい参加していたが女性は私一人だった。「自分はうつ病だからあんまり関係ない」と思いながら皆さんがいろいろ話すのを聴いていた。不思議と参加は嫌ではなかった。

最初は緊張し「自分は何を話そう」とばかり考えている時間が長かったが、みなさんがどのように飲んだのか、何を体験されてきたのかを聴いて勉強になった。

苦しみながら頑張っているのにうまくいかない人、退院して飲んで再入院になる人を何人か見た。アルコールを止めたいのに止められない、大変な病気だと思った。

入院2カ月目に60歳の誕生日を迎えた。繰り返しミーティングに参加する中で、自分がアルコールで子ども達に迷惑をかけていたことに気づいたし、アルコールで迷惑をかけるのを最後にしたいと思うようになった。

ちょうど3か月になった頃に退院になった。自分はアルコール依存症と受け入れられていたし「次に酒を飲んだら終わり」と思った。家に戻ると冷蔵庫にビールが入っていたが「これを飲んだら3か月の入院が無駄になると思ったし不思議と飲酒欲求は無かった。

 

[ARPスタッフのコメント]

アルコール依存症で治療を受けるようになると、病院で開催されているミーティングや自助グループに出席するようにすすめられます。スタッフの話から病気の知識を得たり、参加者の体験を分かち合うなかで、止めていく意思を高めたり、自分の状態を客観的に振り返る事ができるようになります。Eさんも定期的にミーティングに参加する中で自分の飲酒問題をしっかりと見つめ、アルコールと縁を切る事を決意できたようです。