通信室

アルコール依存症からの回復 Fさん第4話

2024.05.20

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⑤男性Fさん

 

第4話~入院から退院まで~

鍵を4つ閉められ、窓に格子がはまった保護室に入院になった。保護室をでるまでの1週間アルコールのせいか薬のせいかほとんど記憶がない。幻聴は耳の奥に少し残っている感じくらいに落ち着いた。

保護室を出て病室にうつり、1~2カ月診察以外は何もなく休養させてもらった。診察で幻聴の話をしたら、主治医からは「あなたはストレスが強い。アル中じゃない」と言われ、「やった、また飲める」と思った。その病院にはアルコールで入院した人はいなかったようでミーティングも無かった。3か月目に作業療法に1か月くらい出て退院になった。

退院後すぐに仕事に戻った。迷惑をかけた会社の所長に「俺がいる間は飲んでくれるな」と言われ「はい。」と返事。家に帰って紙に「禁酒」と書き壁に張った。そこから1年半は1滴も飲まなかった。30歳になり車の免許を取ることを考えた。その頃くらいに所長が転勤になりまた酒を飲み始めた。仮免を取る日に酒が残っていて教官に気づかれた。今なら強制退校だと思うが、場内の運転に変更になった。

無事に車の免許を取得。4tトラックで配達・集荷の仕事を2~3年やっていた。二日酔いで運転する事がよくあったが、一度車を壁にぶつけて左のミラーを壊したくらいで大きな事故はなかった。

その頃は行きつけの居酒屋で1日2~3杯と決め、店に自分の飲む量を抑えてもらうようお願いして飲んでいた。以前より飲む量は減ったが、帰ったら夜眠れず、寝たかどうかわからない状態で仕事に行くようになっていた。それから1~2カ月後には体の疲れがとれず、わずかな量で記憶を無くすようになり、仕事を休むようになった。

あまりに体がきつかったので34歳の時内科に行ったら、肝炎と十二指腸潰瘍で2カ月の入院になった。

 

[ARPスタッフのコメント]

Fさんが入院された精神科病院はアルコールの専門ではなかったようで、お酒のない環境で体と心を休め、生活リズムを立て直すことが主な治療の目的になったのだと思います。現在アルコール専門医療機関や治療のプログラムを持つ病院の多くが、最低3か月の入院期間になり、1か月目は体と精神(心や頭の働き)の回復がメイン、体のきつさや頭の働きが戻ったころに治療プログラムや病気の勉強が始まっていきます。