通信室

アルコール依存症からの回復 Fさん第3話

2024.05.06

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⑥男性Fさん

 

第3話~精神科病院につながるまで~

20代前半は酔いつぶれても家に帰っていたし、朝から仕事はできていた。トラックのドライバーになる誘いを受けたが、酒を飲みたかったから車の免許は取らず、事務職を続けることにした。

20代後半に入ると、二日酔いの頭で仕事をするようになり、毎日処理できていた伝票を貯めるようになった。給料だけでは生活できず、職場の後輩二人に毎月2万くらい借りるようになっていたし、家に帰れず、路上で寝ていたり、朝目覚めたら職場にいたりすることが起こるようになった。飲んで記憶を無くすようになり、田んぼで寝ていて警察に引き上げられ、その数時間後にまた同じ警察官に声をかけられ家まで送ってもらった日もあった。

29歳の頃、姉の結婚式に呼ばれ久々に帰省した。その際に飲んでひどい兄弟げんかをして、そのあとからさらにひどく飲むようになった。ある日飲んで仕事から帰ると仕駅から家までの30分ずっと人がついてくる感じがあったり、幻聴が聴こえたりした。

救急車を呼んでみたが「あなた飲んでいますね」と言われ、来てもらえず、警察を呼んで保護をお願いした。次の日会社の所長が迎えに来てくれ、2~3日後に精神科病院に連れて行ってもらい入院になった。

 

[ARPスタッフのコメント]

飲酒頻度や量が多くなっていたFさん。20代前半ではすでに多くの人が優先するであろう車の免許取得や仕事をすすめることよりアルコールを体に入れることを優先するようになっていました。

多くの方がアルコール依存症の特徴が複数出現し、人間関係にひびが入ったり、警察沙汰になるような社会的な問題も出るようになっても、自分に問題があることに気づくことができません。