通信室

アルコール依存症からの回復 Fさん第2話

2024.04.22

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⑥男性Fさん

 

第2話~20代はじめの飲酒の話~

定時制高校が4年制だったので19歳で卒業した。高校の時に用務員として働いた学校に就職できる話をもらっていたが、当時親兄弟と関係が悪く、地元を出たいと思っていた。用務員の話を断り、県外の運送会社に就職した。事務職で、明細書を書いたり、事故処理の手続きをしたりするのがメインだったが積み込みや荷下ろしの作業も率先して手伝っていた。その頃は給料日だけ食堂でビール1本だけ飲んでいた。

20歳になり堂々と飲めるようになり、本格的に飲み始めた。自分の部屋に日本酒の1升瓶を買って飲むようになったが、2~3日で空になっていた。飲む量が多い自覚があって「こんな飲み方してはダメだ」と思い、外で飲んでみようと考え、近所の居酒屋で飲むようになった。朝9時から夜の21時まで仕事をしていて、自分の時間が無い事が不満だった。仕事帰りに居酒屋で飲んでいる時間だけ「今日は頑張った」と満足感を得ていた。次第に量が増え、居酒屋で酔いつぶれるまで飲むようになった。居酒屋では10年くらいツケで飲んでいて給料日に給料の半分の額を居酒屋に払っていた。休みの日に行った喫茶店でコーヒーにウイスキーを入れてもらって飲んだりするようにもなっていた。

 

[ARPスタッフのコメント]

高校を卒業し就職後すぐに飲酒を始めたFさん。二十歳になるまでは機会飲酒の範囲の頻度で、現在でいう「適正飲酒」(純アルコール20g以内)と言われる健康の害の少ない飲酒量で済んでいたようでした。ただ20歳になってからは飲酒頻度・量ともに危険な飲み方が始まっていました。

金銭管理や飲む場所のコントロールの崩れも出始めているようです。