通信室

活発なEさんのアルコールからの回復

2024.02.02

意志が弱いから病気になったわけでない。

 

人々の飲酒のきっかけは、多くの理由が見られます。Eさんは、家庭の中の悩みがきっかけで悩みを解消しようとした飲酒につながって始まっていったようです。悩みから逃れようとしての飲酒でしたが、酔いがさめると悩みは消えていません。飲酒で解決されるどころか、飲酒の問題「アルコール依存症」が、Eさんに表面化して、家庭の悩みに加え、酒の問題が加わってきたのです。その後Eさんには、酒との闘いが始まっていったわけです。
このアルコール依存症との取り組みで、酒を自分の体から外す取り組みを続けることができたことが自信となり、様々な問題解決に対して自信ができてこられたわけです。このことにより、本来の問題解決である家族との悩みの問題を克服していきことができたと思います。Eさんの話の中で、子供さんたちが出てきますが、Eさんにとって子供たちの存在は心強かったはずです。また、「供たちが良い子に育ってくれた・・・・・」と書かれています。子供たちの存在も、酒をやめ続ける力になっていたと思います。Eさんが今日まで、酒を飲まない生き方を続けておられますが、定期的にミーティングに参加され自分のこれまでの様子をメンバーに話されていますが、集まったメンバーに向かって話されると言うより自分自身に向かって語り掛けることにより、これからの自分の生き方について、酒のない生活の糧にされておられることだと思っています。
飲まない生き方を続けるためには、いくつもの人たちの支えが加わることが必要です。家族であったり、ミーティングのメンバーであったり、飲まないことが始まってからの知り合いであったりといった人々です。飲んでいたころ離れていった人々が飲まなくなったことを知り、再びこれまで以上に強い絆で結ばれるなど、様々な人達から良い影響を受け酒を飲まない、飲む必要がない人生が形作られておられることでしょう。
このように信頼を獲得されていき、そこから自信をつけて、酒をやめていく強い力をもらいながら酒を飲まないでいける日々が続いておられるはずです

本人の周りには、酒を飲む理由、きっかけは、砂浜の砂のようにたくさん転がっています。これらをたくさんの理由を言い訳にして、飲酒が続いて依存症になったわけです。しかし、それら砂の中に飲まないためのたくさんの素晴らしい砂もあるわけです。その素晴らしい砂をつかむかどうかは、本人が飲酒の問題をどのようにとらえていくかにかかっています。

多くの依存症の人たちは、日頃「自分の飲み方は、おかしい飲み方をしている・・・・・・」と感じておられるはずです。しかし、次第にこの考えも消え去り、飲み続ける生活になっていきます。
ついには、酒から逃げられなくなってしまいます。