アルコール依存症からの回復 Eさん第3話
2023.05.12
<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>
ケース⑤女性 Eさん
第3話~初めての精神科受診~
34歳で初めての精神科受診。ひどい抑うつ状態ということで入院もすすめられた。アルコールを飲んでいることも話したが、厳しく言われることは無かった。2回目の受診には私の母にも付き添ってもらった。
精神科にかかっていることを友達に話したら、猛反対されしばらく行かなくなってしまった。辛い気持ちのまま過ごしたがお酒は飲まない方が良いと考えていて、1年完全に飲まなかった。
35歳で農業関係の会社に就職、集まりで誘われて久しぶりに飲んで、そこからまた頻繁に飲むようになった。職場で飲む仲間ができて仕事の日は仕事が済んで仲間の家で夜まで飲んで、休みの日は仲間の家に行って昼から夜まで飲んでいた。
飲んでいても生活に支障は無く、体の調子も悪くなかった。子ども達は私がひどく飲んでいることを知っていたが、一度も言われたことは無かった。子どもとの関係は良かった。飲酒運転も常習になり、40歳の頃、朝から飲んで子どもを高校に送って、帰りに事故を起こした。
[ARPスタッフのコメント]
「飲まない時は〇ヵ月くらい全く飲まない。だから自分は依存症じゃない。」というような言葉を治療にかかり始めた人からお聴きすることがたまにあります。Eさんの場合も約1年完全に飲まなかった期間がありました。アルコール依存症の特徴として再発と進行があります。いったんしばらくやめても、飲み始めるとすぐに元の問題がある状態またよりひどい状態に進行してしまいます。飲む量が増え体に影響が出るだけでなく、脳にも大きな影響を及ぼし、理性も失われ、社会的な問題も起こすようになっていきます。