通信室

アルコール依存症からの回復 Dさん第4話

2022.12.07

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース④女性 Dさん

 

第4話~病院に入院して~

酒だけを飲み続け、食事も摂れない状態になっていた。それまで通っていた病院からは治療を断られてしまった。その頃が酒に関することでのどん底だったと思う。妹が次の治療先を探してくれ、次の病院に来るのが決まった時に「どこの病院に行っても、飲んだら自分や家族が苦しいのを繰り返すだけ。自分が変わらないと。」と強く思うようになった。入院の時、主治医の先生と付き添いで来てくれた母と妹が本気になって考えてくれているのが見えて「今度こそ本気でアルコールを止めたい」と思った。入院した次の日にミーティングに参加した。(当時は)少人数のミーティングで話しやすいと感じた。

繰り返しミーティングに出たり心理カウンセリングを受けたりして、適度に飲めないことが再確認できたし、初めて真剣に自分の話をすることができた。自分の時間も家族の時間も無駄に使っていると感じるようになった。何より親兄弟に迷惑をかけたくないと考えるようになり入院は最後にしたいと思った。しばらくアルコールが体に入ってなかったが、退院前から何となく落ち着かないような、正常じゃないような感覚があった。時間が解決してくれるだろうと期待して退院を決めた。

 

[ARPスタッフのコメント]

入院時の家族・主治医とのやりとりが、Dさんの回復へ向かう分岐点だったと思います。入院後もミーティングは休むことなく参加し、病気の事を勉強しながら体験を素直に語り、毎週実施していたカウンセリングでもアルコールの問題や家族への想いについて真剣に振り返っておられました。ここ数年、人生の優先順位第1位はアルコールでしたが、この時の入院で優先順位が健康で安全な方向に大きく変動したように感じられました。