通信室

アルコール依存症からの回復 Cさん最終話

2022.09.28

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース③男性 Cさん

 

最終話~これからの課題と同じ病気の仲間へのメッセージ~

酒を止め始めの頃は子ども達や孫に会うことを目標にやってきたが、あれだけ飲んで迷惑をかけて「酒を止めたから会いたい」というのは身勝手と感じるようになった。今、子どもや孫に会う事は天に任せている。いろいろなものを無くしたが、今は今で幸せだと感じる。これからも酒で迷惑をかけない生き方をしていきたい。自分の周りで、この病気になって3人だけ、酒を止めたままで最後を迎えた仲間がいる。自分も最後まで飲まずに生きていきたい。大きな夢は無いがコロナウイルスが落ち着いたら鈍行列車で旅をしたいとは思っている。

 

「お酒を止めるのに年齢は関係ない」とよく聞くことはある。確かにいつ止めても良いが、皆さんにはできるだけ早く止めてほしいと思う。早く止める事ができれば、それだけたくさんの選択肢がある。お金もお酒じゃなくて、家族の為とか子どもの為に使ってほしい。人生に酒は必要でないという事に気づくことができればやめられると思う。

そして、ミーティングにはたくさん出てみてほしい。ミーティングは寺子屋みたいなものだと思う。最初は自分も訳も分からず参加していたがいろいろな事がわかってきた。元気とか勇気とかをもらえているし自分も皆さんに支えられてやめ続けられている。

酒を止める事は本当に難しいことだと思っているが、皆さんもやけを起こさず頑張ってほしい。

 

[ARPスタッフのコメント]

Cさんは最後の退院から12年飲まない生活を続けられています。現在は毎週病院のミーティングに参加して頂き、飲んでいた頃の状態や気持ち、同じ病気の仲間へのメッセージなどを明るく、そして力強く語って頂いています。Cさんの話には長い苦しみの歴史がありますが、そこから回復されたという姿が、他のメンバーに勇気と希望を与えていることを確信しています。

最後にインタビューでも楽しい雰囲気で詳しく話をして頂き、掲載も快諾して頂きありがとうございました。