通信室

アルコール依存症からの回復 第12話 

2022.07.06

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース③男性 Cさん

 

第1章~飲み始めからの話~

高校を卒業してすぐ、両親の商売を手伝う事になった。20歳ごろから仕事上の付き合いもあり、酒を飲むようになった。そのころは誘われた時だけしか飲んでいなかった。商売も特に問題なくやれていたので25歳で両親の店を辞め、独立し妹と卸売業を始めた。結婚し、3人の子どもを設けた。会社を作った場所が繁華街というのもあり、仕事上の付き合いでよく飲んだ。量も多く日本酒は毎日5合くらい飲んでいた。妹とがむしゃらに商売を頑張ったが、うまくいかなくなり31歳で店をたたむことにった。自分は団体行動が苦手だったので、タクシーの運転手になる事を決め、県外のタクシー会社に就職し単身で県外に移り住んだ。

タクシーの仕事はすごくあっていて、毎月、会社の水揚げトップ5に入る結果を出していた。ヘッドハンティングの話も何回もあったし「伝説の男」と呼ばれたこともあった。自分の仕事が軌道に乗った時期に家族を呼び、また一緒に生活するようになった。家族ともうまくいっていて連休や正月は妻へのねぎらいを込めて、温泉旅館に連泊してゆっくりしてもらうというのも5~6年くらいやっていた。仕事の日は飲まなかったが、次の日が休みになると、帰ってから飲み、休日は朝から飲むようになっていた。子どもが野球チームに入っていて、土日には遠征の送迎を頼まれていたが、他の保護者は自分が飲むのを知っていて、車を出した報酬として焼酎のワンカップを毎回もらうのが暗黙のルールのようになっていた。飲む量は多い方だったと思うが体も元気だったし、仕事も頑張っていたし、家族との時間も大事にしていたので、その頃は酒の問題は感じていなかった。その後、次第に酒の量が増えだしていった。

 

[ARPスタッフのコメント]

家族との時間を大事にしながら、自営業やタクシーの仕事で努力をされ活躍していたCさん。身体的にも問題なく周囲も「お酒が好きでよく飲む人」という認識のようで、20代から30代にかけて飲酒の問題を感じていないようでした。しかし客観的に見ると30代から飲酒の量や飲酒を始める時間が、社会の基準から外れ始めてきているように見えます。今後Cさんはどのようになっていくのでしょうか。