通信室

アルコール依存症からの回復 Fさん最終話

2024.08.12

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⑤男性Fさん

 

最終話 ~これからの課題と同じ仲間へのメッセージ~
アルコールの問題が大きかった頃、自分を心配した母からいろいろ言われると「産んでくれと頼んだ覚えはない」と反発していたが、今は産んでもらったことに本当に感謝している。今は仕事も退職し、物理的な豊かさは無いが、同じ病気の人にメッセージを運ぶ活動をする中で、幸せ、満足、喜びが得られているし、心の落ち着きがもらえている。これからもメッセージを運ぶということを続けていきたい。
同じ病気の人の集まりに出て、話を聴いてみてください。素直な気持ちで話を聴いて自分の歪みに気づいて受け入れていくしかないと思います。私もそうでした。人生は思い通りにならないことばかりだし、問題もたくさん出てきます。完璧にならないのが当たり前です。病気や自分の歪みを認められたら良い方向に変わって行けますし、自分を少しでも成長させていくことが新しい生きがいの一つになってくると思います。これから一緒に成長を目指していきましょう。

[ARPスタッフのコメント]
私がアルコール依存症の患者さん、家族の方への援助をさせてもらい始めた頃に、初めて30年以上という長い年月「飲まないで生きる」を実践されている方との出会いがFさんでした。飲まないことが目的ではなく手段であること、仲間や大事な他者とのつながりを持ち続けることで必ず回復できることなど、学校や教科書では学ぶことのできないたくさんの知識・知恵・生き様を教えて頂きました。これからもFさんのような回復者がたくさん現れていくことを心より願っています。