通信室

Dさんの回復の力

2023.02.08

毎日、飲酒が続き、その度に入院となることの繰り返しが続いておられた状態であった。これまでの入院は、その場しのぎの、飲まないことの言い訳に過ぎない行いであったように思われます。このような形の入院をとる依存症の方が、数多く見られます。

どの方も、入院当初は、真剣にアルコールを飲むことをやめようと考えての入院であったはずです。ほとんどの人が、酒との縁を切ろうとする考えが感じられるものです。

しかし、その信念(飲まない誓い)は、酒の誘惑に負けてしまい再び飲酒をおこない、酒を飲む日を繰り返してしまいます。Dさんも、このような繰り返しを続けてきておられました。

「本当に酒を飲まない」と言う考えにたどり着いたことは、偶然の産物ではありません。飲まない生き方をされてこられた元アルコール依存症の人の話に耳を傾け、この話が心の中に入ってきたからです。

同時に、ご本人の書かれた内容にもありますように、

…退院して半年くらいきつかった。(飲酒欲求)「家族や周りの大事な人達を安心させたい。だからアルコールを止めたい」と繰り返し思っていた。・・・、

また、・・・ミーティングにこまめに出ていた。・・・

などの記述の内容から、これまでは、一日中、酒を飲むことばかり考える日々から、毎日が、酒を止める必要性について繰り返し、繰り返し考えるように変化したことが大きかったことがわかります。

この考えを変えた要因は、自ら進んでのミーティングへの出席する行動、自らの過去の飲酒の問題を正直に他の人へ話す行動が、酒を飲まない、飲む必要性がない考えを生み出したものです。このように、依存症からの抜け出すことは、誰にでも備わっているものです。しかし、この力を生かさない多くの依存症の方がおられます。必ず依存症からの回復の力を発揮してください。Dさんが、その一人です。