通信室

アルコール依存症からの回復 第13話

2022.07.15

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース③男性 Cさん

 

第2章~初めての精神科入院まで~

子どもに手がかからなくなった30代の終わりくらいから飲み方がおかしくなった。酒とタバコは妻が用意してくれる形になっていて飲ませてはくれていたが、家で一人、早い時間からく飲むと妻が嫌がるようになってきたので、仲間を家に呼んで3人で飲むようにした。妻は嫌だったと思うが、渋々つまみを用意したりしてくれていた。

3人で飲むと仲間2人は仕事に行けていたが、自分だけ酒の酔いが次の日に残って仕事に行けないということがよく起こるようになった。妻は怒っていた。最初は仕事を休む連絡を「体調不良」ということで妻が代わりにやってくれていたが、何度もそういうことがあるので妻が会社への連絡を拒否するようになり、自分で連絡する羽目になった。体調不良が理由だけでは追いつかず、親戚が亡くなったという嘘までつくようになった。今思えばその頃に病気になっていたのだと思う。

一晩でビールケース1ケース飲んでしまった日があり、それから妻が酒を隠したり、逆に自分が酒を隠したりするようになった。米櫃(こめびつ)から妻が隠した一升瓶が出てきた時は大喜びだった。少しずつ体にも異変が起きていて、内科では肝臓が悪くなっていると言われるようになり、書類は手が震えてまともに書けないことが出てきた。

41歳で妻と離婚になり、郷里に帰って、タクシーの仕事を始めた。その頃からさらに量が増え、深酒で仕事に行けないことが増え、退職を繰り返すようになった。

酒を切ってもらうために精神科に5日くらい入院することが2回あったが、その時にやめようとは思っていなかった。

 

[ARPスタッフのコメント]

奥様にお酒を管理したり、出社できないCさんの代わりに会社への連絡をしたりするというイネイブリング(依存を長引かせる世話焼き行為)も一時期起こっており、アルコール依存症の持つ周囲を巻き込む力を痛感させられました。酒量が多いながらも、問題が表面化していなかったCさんでしたが、30代の終わりから、体への影響や家庭・仕事にも大きな影響が出始めていました。Cさん自身後々「妻が酒を隠したり、逆に自分が酒を隠したり、その頃が病気の始まりだった」と語られていました。