通信室

アルコール依存症からの回復 第9話

2022.05.25

<私は、こうしてアルコール依存症から回復した>

 

ケース⓶男性 Bさん

 

第3章~入院から退院まで~

鍵のかかる個室に入院した。入院して2週間くらいの記憶はほとんどない。自分が病室で「たくさんの虫がいる」とか「この枕は生きている」とか「白い犬がいる」とか変な報告をしていたことを記憶が戻って看護師さんから聞いた。身の回りのことができるようになり、テレビを観たりやマンガを読めたりするようになった頃にARPのスタッフとの面談があり、ミーティングに参加することを勧められた。病気かどうかは分からなかったが、迷惑をかけた人がいるのは認めていて、少し真面目に考えないといけないとは思っていた。完全にやめるつもりはなかったが、迷惑をかけないうまく飲める方法が見つかるかもしれないという期待もあり参加してみる事にした。

初めてのミーティング参加は緊張したが、すごく雰囲気がよく緊張もすぐに少し和らいだ。他の皆さんが自分の話を大事に聞いてくれているのが伝わり話しやすかった。退院までしっかり参加していこうとは思った。

繰り返しミーティングに参加する中で、自分の父親にもアルコールの問題があったことを思い出したり、自分の食べずに飲むようになったり、飲んで記憶を無くしたりといった問題が2~3年前に始まっていたことがわかった。またいろんな人の話を聴いて自分も1杯飲んだら止まらない可能性があること、迷惑をかけていないつもりだったが、家族にも迷惑をかけていた事にも気づいた。

退院が近づいても、自分はいつか飲むだろうと思っていた。ただ、また酒で迷惑をかけたくないというのはあった。退院してすぐ飲むというのは会社に申し訳なかったし、会社との面談の予定が決まっていて、面談までは飲まないでおこうとだけは決めていた。

 

[ARPスタッフのコメント]

Bさんの入院から数日後に顔合わせに行った際にご本人にしか見えない犬の話をされ、改めてアルコールの怖さを実感しました。プログラムに入れる程回復されるまでに長い時間がかかるのではないかと心配していましたが、2週間ほどで記憶力や判断力が戻られているようでした。

アルコールに対する未練や否認の気持ちを抱えておられましたが、ミーティングでは真面目に自分の問題に向き合うなかで周囲の方への影響について繰り返し語られ、良い方向に向かっていくのではと感じられました。